脂質

  脂質は糖質と共に人間が活動するのに必要なエネルギーを供給します。1日の消費エネルギーのうち25%は脂質から摂取するのが望ましいとされていますが、近年は若い人達を中心に食生活の欧風化がすすんで、脂質の割合が高くなっており、健康への悪影響が心配されています。サラダ油、バター、ラード、牛や豚・魚の油脂等、ほとんどは中性脂肪として体内に入り、脂肪酸とグリセロール(グリセリン)に分解されます。エネルギー源として使われるのは脂肪酸の方ですが、使われなかった脂質は体内に蓄積されて体脂肪となり肥満の原因になるので、取りすぎに注意しましょう。脂質を燃焼させるにはビタミンB2の助けが必要ですので、ダイエットを心がけている方はビタミンB2をたっぷり取りましょう。

脂肪酸

  脂肪酸には構成する脂肪酸の種類によって、大別すると2種類の脂肪酸があります。脂肪酸は十数個〜30個くらいの炭素原子(C)が、鎖のように連なって出来ています。この炭素原子は4本の手を持っていて、そのうちの2本の手が水素原子(H)と、あとの2本の手が他の炭素の手とつなぎあって、鎖状となっています。このように水素原子と炭素原子がすべて結びついている場合には、飽和脂肪酸といいます。 そして、炭素原子の4本の手のうち、1本の手が水素原子を放して、炭素同士がお互いに2本の手でつなぎあっているもの(二重結合)を不飽和脂肪酸といいます。

  飽和脂肪酸には、パルミチン酸やステアリン酸などの種類があり、牛肉、バター、ヤシ油など動物性油脂に含まれ、これらの飽和脂肪酸を多く含む油脂は常温(20℃位)で固体となります。不飽和脂肪酸はさらに、炭素の二重結合の数によって、二重結合が1個しかない一価(単価)不飽和脂肪酸と、二重結合が2個以上ある多価不飽和脂肪酸とに分けられます。

  一価不飽和脂肪酸の代表はオレイン酸で、動植物油脂に多く含まれています。多価不飽和脂肪酸のうち、二重結合が2個のリノール酸、3個のγ(ガンマ)リノレン酸は植物油に多く含まれており、二重結合が5個のEPA(エイコサペンタエン酸)、二重結合が6個のDHA(ドコサヘキサエン酸)などは、魚油中(特に背の青い魚)に多く含まれています。これらの不飽和脂肪酸を多く含む油脂は、常温で液体となります。このように、脂肪酸にはいろいろな種類があり、性質も異なります。

  また、不飽和脂肪酸はいくつか結びついている炭素数の(n個)最後から何番目が二重結合かによって、オレイン酸のn-9系(最後から9番目)、リノール酸等のn-6系(最後から6番目が初の二重結合)、EPAやDHA等のn-3系(最後から3番目が初の二重結合)の3系列に分けられます 。(以前はnの代わりにω[オメガ]を使っていて、ω-9系やω-3系と書いていました。)

種類
脂肪酸名
炭素数 二重
結合数
含有食品
効用、特徴
飽和
脂肪酸
ラウリン酸
12
ヤシ
ココナッツ
コレステロール値を上げる、
体内で分解されにくい
ので蓄積する(太る)、
過剰摂取は動脈硬化
になりやすい
ミリスチン酸
14
パルミチン酸
16
牛肉、ヤシ
バター
ラード
ステアリン酸
18
羊肉、牛肉、
バター、
n-9系
一価不飽和
脂肪酸
オレイン酸
18
オリーブ
菜種
(キャノーラ)
心臓病・がんの発病性低下、
血漿コレステルール値低下、
胃酸分泌の調整
n-6系
多価不飽和
脂肪酸
リノール酸
18
コーン
ベニバナ
大豆
関節炎・糖尿病・
月経前症候群緩和、
過剰摂取は脂質代謝
バランスをくずす
γ(ガンマ)リノレン酸
18
アラキドン酸
20
レバー
n-3系
多価不飽和
脂肪酸
α(アルファ)リノレン酸
(γリノレン酸とは二重
結合の場所が違う)
18
亜麻
しそ
抗がん作用、
血小板凝集抑制作用、
血圧降下作用
エイコサペンタエン酸
(EPA又はIPA)
20
さば
いわし
さんま
心臓不整脈・心拍異常・
血液擬固の減少、
血圧降下、関節炎緩和、
中性脂肪減少、
コレステロール値低下
ドコサヘキサエン酸
(DHA)
22
かつお
まぐろ


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